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【考察】名探偵コナン 工藤新一が犯した犯罪についての判決【第一話】

あなたは「名探偵コナン」好きですか?

私は大好きです!

 

…でもあの第一話、覚えてます…?

 

そう、あのジェットコースターでの殺人…ではなく今回考察したいのはこちらです。

 

 

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青山剛昌作「名探偵コナン」第1巻9頁(小学館 1994年発行)

 

こちらのシーンです。

 

主人公である工藤新一が地球儀を蹴り、犯人である男性の頭部に当たりケガをさせています。

 

今回はこの件について新一が犯した罪について判決を下したいと思います。

 

また管理人である「た」は法律に関する知識が皆無なため、友人であり東大法学部生でもあるB君に依頼しました。

 

また今回の判決文はこれから法律を学ぼうとしている新入法学部生、司法試験受験生、ロースクール生にも大変参考になると思います。

 

また法律の勉強をしていなくてもコナンファンなら必読の内容です!

 

※新一は未成年のため実際は少年法の適用があり、処罰されません。

今回は未成年ということは無視しています。

 

 

それでは判決いきます!

 

判決

***地球儀を被害者の頭部に蹴り当てた行為=傷害罪(刑法204条)

(1) 判決 主文
被告人を罰金10万円に処する。

  (2) 罪となるべき事実
被告人は、平成xx年x月x日x時x分頃、●●所在の被害者方において,同人に対し,地球儀を蹴り飛ばして前方約10メートルの地点にいた同人の頭部に当てる暴行を加え,よって,同人に加療約1週間を要する頭部皮下腫の傷害を負わせたものである。

(3)犯罪成立及び量刑の理由
  ア 犯罪成立
上記暴行行為によって、被害者に頭皮下血腫の傷害を加えたから同罪の構成要件をみたす。
もっとも、殺人被疑者の逮捕のために行われた行為である。正当行為(35条)にあたり、違法性を阻却しないか。
この点、逮捕に伴う正当行為性は、逮捕行為として適法であるときに認められると解する。
本件において、被害者は現行犯でなく、被告人は現行犯逮捕(刑訴法212条)できない。また、私人である被告人は、緊急逮捕(210条1項)・通常逮捕(199条1項)できない。ただし、捜査官による逮捕の補助行為として許される余地がある。しかし、そう解したとしても、逮捕に伴う有形力行使は逮捕に付随する相当の範囲でのみ認められるところ、被害者が老齢であって逃走能力は低い一方で捜査官が5人以上も居合わせた本件で、上記の暴行は行き過ぎである。よって、逮捕行為としても違法であるから、違法性は阻却されない。
傷害罪が成立する。
イ 量刑の理由

本件は、蹴る力の強い若者である被告人が、老齢の被害者の頭部という重要部位を狙ってある程度硬い地球儀を蹴り当てるというやや強い暴行を加えた事案で、態様は悪質とまでいえないものの、良くない。しかし、傷害結果は軽く、動機も一応逮捕のためという公益目的であることを考慮すると、傷害としては比較的軽い類型に属する。罰金刑を選択すべきである。

さらに被告人に前科等はないこと、自白反省があること、上記のとおりの犯情が悪くないことといった有利な事情を考慮して、主文のとおり判断する。

 

 

…。

ははーん、新一さんやってしまいましたな。

実際には未成年なので処罰はされないのですが、これは立派な傷害罪です。

でもこれって色んな見方があると思います。

そして今回の件に対して管理人の意見を述べます。

 

問題のシーンに対する管理人の意見

そもそも殺人や傷害は立派な犯罪である。


最初に殺人を犯したおっさんは自分の妻を殺しておきながら警察に連行される際に「トホホ」という言葉を発している。自分が犯した罪は二度と取り返しがつかないし、死んでしまった人は二度と生き返らない。そんな行為をしてしまったにもかかわらず出てきた言葉がそれだとしたら罪の意識が軽すぎる。

 

対してこの作品の主人公である工藤新一は見事に漫画開始5ページで、この殺人事件を見事に解決している。

 

上記判決文にもあるように今回新一がした行為は傷害罪にあたる。執行猶予付きとはいえ罰金10万円に処せられるのだ。しかしそんな罪を犯してしまった新一ですら自ら蹴った地球儀が犯人に当たった際、発した言葉が「ゴォール♡」である。

 

これでは先ほど殺人を犯してしまったおっさんと同様、罪の意識が軽すぎではないか。

 

かなり不自然ではないか?

 

私はこの「名探偵コナン」における罪の意識を軽く表現するところが最大の特徴であり、醍醐味のひとつなのではないかと考える。

 

名探偵コナン」単行本第1巻は初版1994年であり、この時代はインターネットはまだ一般的ではなかった。

 

しかしネット全盛のこの時代、さまざまな犯罪行為を画像や動画でネット配信してしまう若者があとを絶たない。そして彼、彼女たちに罪の意識はない。

 

私は「名探偵コナン」こそがそういった若者を予見し、警笛を鳴らしていたのではないかと推測する。

 

名探偵コナンが推理漫画として成り立っている以上殺人を題材にしなければならず、表現はオーバーかもしれないが

 

「殺人しても「トホホ」で済ます」「人にボールぶつけて「ゴォール♡」」

 

現代に言い換えれば

「コンビニのアイスケースに入ってアップすればウケんじゃね?www」
「暴走行為してる俺カッケェェェーーー!!!ネットにあげるぜ!」

 

作者である青山剛昌先生は、名探偵コナンを反面教師にして「このようなことはしてはいけない」というメッセージを送り続けているように思えて仕方がない。

 

しかもそれを様々な要素、主人公は高校生の探偵、しかも体が小さくなってヒロインの家に居候することになり…etc といった内容を盛り込み漫画として最高に面白く昇華している。

 

名探偵コナン」はそういった楽しみ方までもできる素晴らしい漫画なのだ!


そして連載開始から20年以上たった今も物語は続いている…。

これから先、どんな「警笛」を鳴らしてくれるのかとても楽しみだ。

 

 

さらに!

 全国の私のブログファン、コナンファン、法律家を志す人たちに向けて、これから名探偵コナンの各話で起こっている「これって犯罪なのでは?」という行為を実際の裁判にかけて処罰し、そこから得られる青山先生のメッセージを読み解いていこうと思います!

 

こうご期待…!

 

そしてネクストコナンズヒントはいつからなくなったのか。それだけを私は知りたい…。(。-`ω´-)ンー

 

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